保護者の方へ|共通テスト「情報Ⅰ」の対策と参考書、塾・家庭教師は必要か
「情報Ⅰ」は、2025年1月から大学入学共通テストに加わった新しい科目です。保護者の世代にはなかった科目なので、「何をどこまで勉強すればいいのか」「塾に通わせるべきか」が分かりにくいと思います。このページでは、試験の位置づけ、家庭でできる対策、参考書の選び方、塾・家庭教師の考え方を順にまとめます。
「情報Ⅰ」はどんな試験か
| 試験時間・配点 | 60分・100点(マークシート) |
|---|---|
| 次回の試験 | 2027年1月の共通テスト(2日目の1月17日に実施予定) |
| 出題範囲 | 高校の「情報Ⅰ」。情報社会、情報デザイン、プログラミング、ネットワークとデータの活用の4分野 |
| 平均点 | 2025年 69.26点、2026年 56.59点(大学入試センター発表) |
パソコンを使う試験ではなく、紙の問題を読んでマークする試験です。プログラムも、特定のプログラミング言語ではなく、共通テスト独自の日本語に近い書き方で出題されます。
用語の暗記だけでは点が取れず、長い問題文から条件を読み取り、プログラムやデータを順に追って考える力が問われます。2026年は問題の量が増え、平均点が前年より大きく下がりました。くわしくは試験ガイドと過去問解説をご覧ください。
入試での重み
国立大学協会は、各大学で「情報」を課すことを申し合わせています。河合塾の集計(2023年10月末時点、2025年度入試)では、国立大学の一般選抜の募集区分のうち96%で「情報Ⅰ」が必須でした。国公立大学を目指すなら、ほぼ避けられない科目です。
一方で、配点の比重は大学によって大きく異なります。同じ集計では、「情報Ⅰ」を点数化する国公立大学のうち、共通テスト全体に占める配点比率が10%の大学が33%、10%未満の大学が59%でした。個別試験(2次試験)まで含めた総合点で見ると、難関大学では1〜2%程度にとどまるという見方もあります。
ポイント:0点では困りますが、ほかの科目の時間を削ってまで満点を狙う科目ではありません。志望校の入試要項で「情報」の配点を確認し、配点に見合った時間をかけるのが現実的です。
私立大学では、共通テスト利用入試で「情報」を必須にしている大学はまだ少数です。志望校ごとに確認してください。
時期別の対策
情報Ⅰは範囲が広い一方で、1つひとつのテーマは短い時間で確認できます。少しずつ積み上げるのに向いた科目です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1・高2 | 学校の授業と定期テストをきちんとこなすのが一番の対策です。授業で習った用語を、その都度用語集や分野別の解説で確認しておくと、受験期の負担が軽くなります。 |
| 高3の夏まで | 講義形式の参考書か分野別の解説で4分野をひと通り復習し、問題集で基本問題を解きます。特に共通テスト用プログラム表記には早めに慣れておくと安心です。 |
| 高3の秋 | 過去問や本番形式の問題集に取り組み、苦手な分野を見つけて復習します。プログラミング(第3問)とデータの分析(第4問)で配点の半分を占めるので、ここを重点的に固めます。 |
| 直前期(12月〜) | 60分を計って大問4題を解き切る練習をします。問題文が長いので、時間配分を決めておくことが大切です。 |
家庭でできるサポート
- 志望校の配点を一緒に確認する:「情報」がどれくらいの重みなのかが分かると、勉強時間の配分を決めやすくなります。各大学の配点は、例年夏ごろに公表される入学者選抜要項で確認できます。
- 学校での進み具合を聞いてみる:情報Ⅰを何年生で学ぶか、プログラミングをどこまで扱うかは、学校によって違います。授業が終わった時期やプログラミングの経験を把握しておくと、追加の対策が必要かどうかを判断しやすくなります。
- 模試の結果を見る:模試で「情報」の点が安定しているなら、今の勉強法で十分です。大きく下がる分野があれば、そこだけ集中的に補います。
- すき間時間の学習を応援する:通学時間などに1日数問でも続けると、知識が定着しやすくなります。このサイトの今日の5問は3分ほどで終わり、間違えた問題は復習に自動でたまります。
参考書・問題集の選び方
情報Ⅰの参考書は、新しい科目のため毎年のように新刊や改訂版が出ています。段階に合わせて、次の3種類から選ぶのが基本です。書名と出版社は2026年11月時点で確認したもので、購入の前に最新の版を確かめてください。
1. 講義形式の参考書(最初の1冊)
教科書の内容を、話し言葉で順を追って説明する本です。授業で習っていない分野がある場合や、全体像をつかみたい場合に向いています。
- 『学校で習っていなくても読んで理解できる 藤原進之介の ゼロから始める情報Ⅰ』(KADOKAWA)
- 『きめる!共通テスト 情報Ⅰ』(学研)
2. 分野別の問題集(基礎を固める)
テーマごとに問題を解いて、理解を確かめる本です。苦手な分野がはっきりしているときにも使えます。
- 『ライバルに差をつける 情報Ⅰ 鉄板の100題』(KADOKAWA):4分野から合計100題
- 『情報Ⅰ 大学入学共通テスト プログラミング問題対策 ステップアップで身に付く練習帳【改訂新版】』(技術評論社、2026年6月):プログラミングの問題に特化した練習帳
3. 本番形式の問題集・過去問(仕上げ)
60分の本番形式で解く練習用です。高3の秋以降に使います。年度版の本は、必ず最新の年度のものを選んでください。
- 『共通テスト過去問研究 情報Ⅰ』(教学社、いわゆる赤本。2027年版は2026年4月発売)
- 『共通テスト総合問題集 情報Ⅰ』(河合出版、河合塾の模試を収録。2027年版は2026年6月発売)
なお、本試験の問題と正解は大学入試センターのウェブサイトで無料で公開されています。このサイトの過去問解説と組み合わせれば、本を買わずに過去問演習を始めることもできます。学校で使っている教科書も、最も基本的な参考書です。
このサイトは、紹介した本の出版社や書店から報酬を受け取っていません。
塾・家庭教師は必要か
結論から言うと、情報Ⅰのためだけに塾や家庭教師をつける必要は、多くの場合ありません。配点の比重が大きくないこと、参考書や無料の教材が増えてきたこと、学校の授業で基礎を学べることが理由です。すでに塾に通っている場合は、情報Ⅰの講座があるかを確認するくらいで十分なことがほとんどです。
ただし、次のような場合は、外部の力を借りることを考えてもよいでしょう。
- プログラミングの問題が、参考書を読んでもどうしても理解できない
- 学校の情報の授業時間が少なく、教わっていない範囲が多い
- 模試で「情報」だけが極端に低く、志望校で「情報」の配点が高い
学び方ごとの特徴
| 学び方 | 向いている人 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 独学(参考書・無料サイト) | 授業で基礎を学んでいて、自分で計画を立てて進められる人 | 分からない所を質問できないので、解説が丁寧な教材を選ぶ |
| 映像授業・オンライン講座 | 講義を聞いて理解したいが、通塾の時間は取りたくない人 | 見るだけで終わらないよう、問題演習と組み合わせる |
| 集団塾・予備校の講座 | ほかの科目と一緒に、受験全体の計画を立ててほしい人 | 情報Ⅰの講座の有無や回数は塾によって違う |
| 個別指導・家庭教師 | プログラミングなど、特定の苦手を集中して克服したい人 | 情報Ⅰを教えられる講師がいるかを事前に確認する |
塾・家庭教師を選ぶときに確認したいこと
- 情報Ⅰを専門に、または継続して担当している講師がいるか
- 共通テスト用のプログラム表記と、データの分析(第4問)を扱っているか
- 体験授業で、本人が「分かった」と感じられるか
- 情報Ⅰにかける時間が、ほかの科目の対策を圧迫しないか
よくある質問
学校でプログラミングをほとんど習っていません。間に合いますか?
共通テストのプログラムは、学校で習う言語ではなく独自の書き方で出題されるため、プログラミングの経験がなくても対策できます。まず共通テスト用プログラム表記の読み方を覚え、短いプログラムを1行ずつ追う練習から始めてください。
家にパソコンがなくても対策できますか?
できます。試験はマークシート方式で、パソコンは使いません。問題演習は、参考書のほか、このサイトのようにスマホでも取り組めます。
このサイトは無料ですか?
すべて無料で、会員登録も要りません。解答の記録はお使いの端末のブラウザにだけ保存され、サーバーには送信されません。くわしくはサイトについてをご覧ください。
参考資料
- 大学入試センター「大学入学共通テスト」(実施要項、過去の試験問題・正解、平均点)
- 高校生新聞「2025年から国立大は共通テストの『情報』必須 予備校は『気にしすぎないで』」(2024年1月15日、河合塾の集計にもとづく)
- 各出版社・書店の書誌情報(2026年11月確認)
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