画像と音のデジタル化|標本化・量子化・符号化とデータ量の計算
音や画像のように連続的に変化する情報を、0と1で表せる形にすることをデジタル化といいます。この分野はデータ量の計算が必ずといってよいほど出題されるので、計算の手順を身につけておくことが大切です。
アナログとデジタル
| アナログ | デジタル | |
|---|---|---|
| 表し方 | 連続的に変化する量で表す | とびとびの値(数値)で表す |
| 例 | 針式の時計、レコード、フィルム写真 | デジタル時計、CD、デジタル写真 |
| コピーすると | 少しずつ劣化する | 劣化しない |
| 加工・伝送 | ノイズの影響を受けやすい | 修正・圧縮・暗号化がしやすい |
デジタル化すると、元の情報の一部は失われますが、コピーや編集、送信がしやすくなります。
音のデジタル化
音は空気の振動で、時間とともに連続的に変化する波です。次の3つの手順でデジタルデータにします。
| 手順 | すること | 決める値 |
|---|---|---|
| ① 標本化(サンプリング) | 一定の時間間隔で、波の高さを取り出す | 標本化周波数(1秒間に取り出す回数、単位Hz) |
| ② 量子化 | 取り出した値を、決められた段階の整数に置き換える | 量子化ビット数(何段階で表すか) |
| ③ 符号化 | 整数を2進数(0と1の列)に変換する | — |
- 標本化周波数を高くする(細かく取り出す)と、高い音まで再現できる
- 量子化ビット数を大きくする(段階を増やす)と、音の大きさを細かく再現できる
どちらも、元の音に近づく代わりにデータ量が増えます。
標本化定理
元の音に含まれる最も高い周波数の2倍より高い標本化周波数で取り出せば、元の波形を再現できます。音楽CDの標本化周波数は 44.1kHz なので、約22kHzまでの音を再現でき、人が聞こえる上限(約20kHz)をカバーしています。
画像のデジタル化
画像は、細かいマス目(画素、ピクセル)に分け、それぞれの色を数値で表します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 画素 | 画像を構成する一つひとつの点 |
| 解像度 | 画素の細かさ(画素数)。多いほど細かい部分まで表せる |
| 階調 | 色や明るさを何段階で表すか。n ビットなら 2n 段階 |
画像の標本化は「画素に分けること」、量子化は「各画素の色を段階に置き換えること」にあたります。
色の表し方:RGB
ディスプレイは、**赤(R)・緑(G)・青(B)**の光の組合せで色を表します(用語「光の三原色(RGB)」)。
- 各色を8ビット(256段階)で表すと、1画素は 8 × 3 = 24ビット
- 表せる色は 2563 = 224 = 約1677万色
白黒の濃淡だけで表すグレースケールなら、1画素を8ビットで256階調、4ビットで16階調のように表します(2026年の本試験 第2問B では、4ビット16階調のグレースケールが使われました)。
データ量の計算
単位
| 単位 | 大きさ |
|---|---|
| 1バイト(B) | 8ビット |
| 1KB(キロバイト) | 1,000バイト(1,024バイトとすることもある) |
| 1MB(メガバイト) | 1,000KB |
| 1GB(ギガバイト) | 1,000MB |
問題文でどちらの換算(1,000か1,024か)を使うかが指定されるので、必ず確認しましょう。
画像のデータ量
データ量 = 横の画素数 × 縦の画素数 × 1画素のビット数
例: 横640画素 × 縦480画素、24ビットフルカラーの画像
640 × 480 × 24 = 7,372,800 ビット → ÷8 で 921,600 バイト ≒ 約922KB(1KB=1,000バイトの場合)
音声のデータ量
データ量 = 標本化周波数 × 量子化ビット数 × チャンネル数 × 秒数
例: 音楽CD(44.1kHz、16ビット、ステレオ=2チャンネル)を1秒
44,100 × 16 × 2 = 1,411,200 ビット → ÷8 で 176,400 バイト ≒ 約176KB(1分なら約10.6MB)
動画のデータ量
動画は、静止画(フレーム)を高速で切り替えて表示しています。1秒間のフレーム数をフレームレート(fps)といいます。
データ量 = 1フレームのデータ量 × フレームレート × 秒数
上の画像(約922KB)を30fpsで10秒なら、921,600 × 30 × 10 = 276,480,000 バイト ≒ 約276MB です。実際の動画は、圧縮して大幅に小さくしています。
計算のコツ
- 「何倍になるか」を問う問題では、掛け算の式のまま比べると速い。例えば解像度を縦横2倍にすると、データ量は 2 × 2 = 4倍
- 階調のビット数を8から16に増やすと、データ量は2倍(段階の数は256から65,536に増える)
- ビットとバイトの変換(÷8)を忘れない
共通テストでの出題
- データ量の計算:画像・音声・動画のデータ量を求める問題、条件を変えると何倍になるかを問う問題。
- 画素とビット演算:2026年の本試験 第2問B では、4ビットのグレースケール画像(黒0000・白1111)を重ねて、画素ごとにOR・AND演算をして合成する問題が出ました。画素の値が2進数で表されていることが前提になっています。
- ヒストグラム:同じ問題で、256階調の画像の各階調の画素数を表すヒストグラムから、背景の範囲を選ぶ問題も出ました。
よくある間違い
- ビットとバイトの混同:画素数 × ビット数で出るのはビット。バイトにするには8で割ります。
- ステレオを忘れる:ステレオは2チャンネルなので、モノラルの2倍です。
- 「解像度を2倍にするとデータ量も2倍」:縦横それぞれ2倍なら、画素数は4倍です。
まとめ
- 音は「標本化 → 量子化 → 符号化」でデジタル化する
- 標本化周波数・量子化ビット数・解像度・階調を上げると、元に近づくがデータ量が増える
- 画像のデータ量 = 画素数 × 1画素のビット数
- 音声のデータ量 = 標本化周波数 × 量子化ビット数 × チャンネル数 × 秒数