2025年 共通テスト情報Ⅰ 第2問 解説|レシートのデータ活用と情報システム・集金のシミュレーション
正解と配点
| 設問 | 解答記号 | 正解 | 配点 |
|---|---|---|---|
| A 問1 | ア | ⑤ | 2 |
| A 問1 | イ・ウ | ③・④順序は問わない | 2 |
| A 問2 | エ | ⓪ | 2 |
| A 問3 | オ・カ | ③・⑤両方正解で3点 | 3 |
| A 問4 | キ | ⓪ | 2 |
| A 問4 | ク | ⑥ | 2 |
| A 問4 | ケ | ③ | 2 |
| B 問1 | コ | 5 | 3 |
| B 問1 | サ・シ | 12−12 枚 | 3 |
| B 問1 | ス・セ | 18 | 3 |
| B 問2 | ソ | ① | 3 |
| B 問3 | タ | ② | 3 |
丸数字(②など)は選択肢の番号です。
第2問は、A と B の2つの題材に分かれます。
- A(4問): スーパーのレシートとポイントカードの情報を、本部の情報システムでどう使うか
- B(3問): 集金のおつり用に千円札を何枚用意すればよいかを、乱数を使ったシミュレーションで調べる
どちらも会話文や条件が長めですが、問われている内容は「どの情報があれば何が分かるか」「表の値を1行ずつ追えるか」です。
A スーパーのレシートと情報システム
場面: 高校生のYさんが、全国チェーンのスーパー「LikeWing」で職業体験をしています。店長によると、ポイントカードを作るときに名前・性別・生年の3つを登録してもらい、そのポイント会員情報とレシートの情報を組み合わせて分析し、販売促進に使っています。これらの情報は本部の情報システムでまとめて管理され、本部・店舗・メーカー・配送センターの間でやり取りされています。また、ネットショッピングサイトとの連携も検討中です。
レシートの図には、次の9つの項目に番号が付いていました(番号は選択肢の番号です)。
| 番号 | レシートの項目 | 番号 | レシートの項目 |
|---|---|---|---|
| ⓪ | 店コード | ⑤ | 購入した商品の合計金額 |
| ① | レジの番号 | ⑥ | 購入した商品の個数の合計 |
| ② | 担当店員名 | ⑦ | お預かり合計金額 |
| ③ | 商品コード、購入商品名 | ⑧ | ポイントカードの利用可能ポイント数 |
| ④ | 購入した商品の個数 |
このほか、番号のない項目として「購入日、曜日」と「購入時刻」がありました。
問1 分析に使う項目(ア・イ・ウ)
正解:ア ⑤ 合計金額/イ・ウ ③ 商品コード・商品名 と ④ 個数(順序は問わない)
- 時間帯ごとの総売上額(税込): 「購入時刻」で時間帯に分け、各レシートの**合計金額(⑤)**を足し合わせます。お預かり合計金額(⑦)は客が出したお金でおつりを含むので、売上にはなりません。
- 曜日別の各商品の購買の状況: 「購入日、曜日」に加えて、どの商品が(③)、**何個売れたか(④)**が必要です。⑥の「個数の合計」はレシート全体の個数なので、商品ごとの状況は分かりません。
問2 会員情報とレシートの分析で得られない情報(エ)
問われたこと: ポイント会員情報(名前・性別・生年)とレシートの情報を組み合わせても得られないものはどれか。選択肢は「顧客が商品を買った理由」「同じ顧客が繰り返し買う商品」「ある商品をよく買う顧客の年齢層」「年齢や性別による来店時間帯の傾向」でした。
正解:⓪ 顧客が商品を購入した理由
レシートには「いつ・どの店で・何を・いくつ買ったか」が、会員情報には「誰が(性別・生年)」が記録されています。
- 繰り返し買う商品 → 同じ会員IDの購入履歴から分かる
- よく買う客の年齢層 → 生年から年齢が分かる
- 年齢・性別ごとの来店時間帯 → 生年・性別と購入時刻から分かる
一方、なぜ買ったのかはどこにも記録されていません。理由を知るにはアンケートやインタビューなど、別の方法でデータを集める必要があります。データから分かることと分からないことを区別する、データ活用の基本を問う問題です。
問3 店コードと会員IDが必要な情報の流れ(オ・カ)
図の状況: 情報の流れが3本描かれています。
- あ: 本部 → 配送センター(配送情報など)
- い: 店舗 → 本部(売上・購買情報など)
- う: 顧客 → 店舗(顧客は必ずポイントカードを提示する)
ほかに、本部 → メーカーの発注情報と、メーカー → 配送センター → 店舗 → 顧客という商品の流れもあります。店コードとポイント会員IDのそれぞれについて、必要とされる流れを過不足なく選びます。
正解:オ(店コード)③ あ・い/カ(ポイント会員ID)⑤ い・う
- 店コード: 本部がどの店の売上かを知るには、店舗から本部への売上情報(い)に店コードが必要です。配送センターがどの店に商品を届けるかを知るには、配送情報(あ)にも必要です。顧客は店に直接来ているので、顧客から店舗への流れ(う)には要りません。
- ポイント会員ID: 顧客はポイントカードを提示する(う)ので、会員IDが店舗に伝わります。それを本部で会員情報と組み合わせて分析するには、売上・購買情報(い)にも会員IDが必要です。配送の指示(あ)には、どの会員が買ったかは関係ありません。
問4 ネットショッピングとの連携に必要な条件(キ・ク・ケ)
前提: ネットショッピングを使う顧客は、ポイント会員かどうかに関係なくアカウントを作り、自宅の住所を登録します。連携のメリット I〜III を実現するために必要な条件を、次の3つから過不足なく選びます。
- あ: ポイント会員IDとネットショッピングのアカウントが対応付けられている
- い: ネットショッピングの商品に、実店舗と同じ商品コードが割り当てられている
- う: 商品コードと店コードから、実店舗の在庫数を調べられる
正解:キ ⓪ あ/ク ⑥ あ・い・う/ケ ③ あ・い
| メリット | 必要な条件 | 理由 |
|---|---|---|
| I ログインすると、ポイント数と自宅近くの店のチラシが出る | あ | ポイント数を出すには、アカウントと会員IDの対応付け(あ)が必要。自宅の住所はアカウントに登録済みなので、近くの店は住所から決められる |
| II 買おうとした商品の在庫がある、よく使う店が出る | あ・い・う | 「よく使う店」は会員IDの購買履歴(店コード入り)から分かる(あ)。ネットの商品と店の商品を同じものと分かるには商品コードの共通化(い)、在庫を調べるには(う)が必要 |
| III 実店舗も含めて購入傾向が似た客の履歴から、おすすめを出す | あ・い | 実店舗の購入履歴をつなぐには(あ)、ネットと店の商品を同じ商品として比べるには(い)が必要。在庫は関係ない |
条件を1つずつ「これがないと実現できないか」と確かめるのがコツです。
B 集金のおつりのシミュレーション
場面: 会計係のMさんが、メンバー10人から一人6,000円ずつ集めます。おつり用の千円札を何枚用意すればよいかを、表計算ソフトでシミュレーションします。条件は次のとおりです。
- メンバーは来た順に一人ずつ支払う
- 支払いは、千円札6枚(6,000円)か一万円札1枚のどちらか
- 一万円札で払われたら、おつり4,000円を千円札4枚で渡す
- 千円札で払う確率は30%、一万円札で払う確率は70%
- 1以上10以下の整数が同じ確率で出る乱数 r を使い、r が3以下なら千円札、4以上なら一万円札とする(3/10 = 30%)
手元の千円札の枚数は、千円札で払われると +6、一万円札で払われると −4 です。負の数は、渡せずに不足しているおつりの枚数を表します。
問1 シミュレーションの表を完成させる(コ・サシ・スセ)
最初の千円札を0枚として、10人分の乱数で表を作ります。問題では一部が「?」で隠されていました。全部埋めると次のようになります。
| 人 | 乱数 r | 支払い | 手元の一万円札 | 手元の千円札 |
|---|---|---|---|---|
| 初期値 | — | — | 0 | 0 |
| 1人目 | 8 | 一万円札 | 1 | −4 |
| 2人目 | 1 | 千円札 | 1 | 2 |
| 3人目 | 6 | 一万円札 | 2 | −2 |
| 4人目 | 10 | 一万円札 | 3 | −6 |
| 5人目 | 9 | 一万円札 | 4 | −10 |
| 6人目 | 4 | 一万円札 | 5(コ) | −14 |
| 7人目 | 5 | 一万円札 | 6 | −18(最小) |
| 8人目 | 3 | 千円札 | 6 | −12(サシ) |
| 9人目 | 7 | 一万円札 | 7 | −16 |
| 10人目 | 2 | 千円札 | 7 | −10 |
正解:コ 5/サシ 12(−12枚)/スセ 18
Mさんの考え方は、「手元の千円札の枚数」の最小値の絶対値だけ事前に用意しておけば不足しない、というものです。このシミュレーションの最小値は7人目の −18 なので、18枚を用意すればよいことになります。
r = 3 は「3以下」なので千円札、r = 4 は「4以上」なので一万円札です。境目の値の扱いを間違えないようにしましょう。
問2 10,000回のシミュレーション結果の考察(ソ)
図の状況: シミュレーションを10,000回行い、各回の「手元の千円札の枚数」の最小値ごとに回数を数えた棒グラフです。横軸は −40 から 0 まで2枚刻み、縦軸は回数です。−40 の棒は約300回、−20 の棒が約1,500回で最も高く、0 の棒は約800回でした。
正解:① 最後まで千円札が不足しなかったのは、全回数の1割以下である
- ①(正しい): 一度も不足しない回は、最小値が 0 の回です。約800回なので、10,000回の8%程度で1割以下です。
- ⓪(誤り): 全員が一万円札で払うと、最小値は 10 × (−4) = −40 です。−40 の棒があるので、そのケースは起きています。
- ②(誤り): 乱数が変われば結果も変わります。まったく同じグラフにはなりません。
- ③(誤り): 全員が千円札で払うと最小値は0ですが、最初の人が千円札で払えば、その後に一万円札が来ても最小値は0になりえます。グラフからは、全員が千円札だった回があるかどうかは分かりません(確率は 0.310 ≒ 0.0006% で、ほぼ起きません)。
問3 千円札を20枚用意したときに起こらないケース(タ)
問われたこと: 事前に千円札を20枚用意した場合に、起こることがないケースはどれか。
正解:② 千円札で払った人が5人いて、途中でおつりが不足するケース
千円札で払った人が5人なら、一万円札は5人で、おつりは全部で 5 × 4 = 20枚です。仮に一万円札の5人が最初に続けて来ても、用意した20枚でちょうど足ります。千円札で払う人はおつりを減らさないので、どの順番でも不足しません。
ほかの選択肢は、起こりうるケースです。
- ⓪: 最初の1人が千円札なら手元は26枚です。残り9人が全員一万円札なら 9 × 4 = 36枚必要なので、途中で不足します。
- ①: 全員が千円札で払えば、用意した千円札は使いません。
- ③: 一万円札が8人ならおつりは32枚必要です。千円札の2人が早めに来れば 20 + 12 = 32枚になり、最後まで足ります。
第2問のまとめ
- A: 「その分析にはどの情報が必要か」「その情報はどこに記録されているか」を、1つずつ確かめれば解けます。記録されていない情報(購入の理由など)は分析できません。
- B: シミュレーションの表は、ルール(r ≤ 3 なら +6、r ≥ 4 なら −4)を決めてから1行ずつ機械的に計算します。「起こることがないケース」は、最も不利な順番を考えるのがコツです。