2025年 共通テスト情報Ⅰ 第1問 解説|デジタル署名・IPv6・7セグメントLED・チェックディジット・フィッツの法則
正解と配点
| 設問 | 解答記号 | 正解 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 問1 a | ア | ② | 2 |
| 問1 b | イ | ② | 2 |
| 問2 | ウ・エ・オ | 128 | 3 |
| 問2 | カ | 5 | 3 |
| 問3 | キ | 7 | 2 |
| 問3 | ク | ③ | 3 |
| 問4 a | ケ | ② | 2 |
| 問4 b | コ・サ | ⓪・①両方正解で3点 | 3 |
丸数字(②など)は選択肢の番号です。
第1問は、4つの分野から短い問題を集めた小問集合です。知識を問う問題と、その場で数え上げや計算をする問題が混ざっています。1問あたりにかけられる時間は短いので、確実に取りたい大問です。
| 設問 | テーマ | 分野 |
|---|---|---|
| 問1 a | デジタル署名で確認できること | ネットワークとセキュリティ |
| 問1 b | 128ビットのIPアドレス(IPv6)が使われる理由 | ネットワーク |
| 問2 | 7セグメントLEDの点灯パターンとエラーコードの桁数 | 情報のデジタル化 |
| 問3 | チェックディジットの計算と検出できる入力ミス | 問題解決・アルゴリズム |
| 問4 | フィッツの法則とメニューの配置 | 情報デザイン |
問1 a デジタル署名で確認できること(ア)
問われたこと: インターネットで情報をやり取りするとき、デジタル署名を使うと「発信者が本人であること」のほかに何が確認できるか。選択肢は「複製されていないか」「暗号化されているか」「改ざんされていないか」「どんな経路で届いたか」「盗聴されていないか」の5つでした。
正解:② 改ざんされていないか
デジタル署名は、送信者が自分の秘密鍵で署名を作り、受信者が送信者の公開鍵で確かめる仕組みです。
- 公開鍵で検証できる → その秘密鍵を持つ本人が作った(なりすましでない)
- データから計算したハッシュ値が署名の中身と一致する → 途中で書き換えられていない(改ざんされていない)
ほかの選択肢が違う理由も押さえておきましょう。
- 暗号化・盗聴:デジタル署名は中身を隠す仕組みではありません。盗聴を防ぐのは暗号化(共通鍵暗号や公開鍵暗号)の役割です。
- 複製:デジタルデータは署名ごとそのままコピーできるので、複製されたかどうかは分かりません。
- 経路:どのルータを通って届いたかは、署名からは分かりません。
問1 b IPv6が使われるようになった理由(イ)
問われたこと: 128ビットのIPアドレスが使われるようになった理由として最も適当なもの。選択肢は「無線LANに対応するため」「大容量データの送受信のため」「インターネットに直接つながる機器が増えたため」「日本語ドメイン名に対応するため」「HTMLの仕様変更に対応するため」でした。
正解:② インターネットに直接接続する機器の増加に対応するため
従来のIPアドレス(IPv4)は32ビットなので、表せるアドレスは 232 ≒ 約43億個しかありません。スマートフォンやIoT機器の増加でアドレスが足りなくなったため、128ビットのIPv6(2128個)が使われるようになりました。
無線LANか有線LANか、通信量の大きさ、ドメイン名の文字、HTMLの仕様は、IPアドレスのビット数とは関係ありません。詳しくは「IPアドレスとDNS」で解説しています。
問2 7セグメントLEDの組合せ(ウエオ・カ)
場面: 数字の「8」の形に並んだ7本の棒状のLED(ⓐ〜ⓖ)を点灯・消灯させて文字を表す部品(7セグメントLED)が題材です。数字の0〜9のほか、アルファベット13種類(大文字8種類:A・E・F・H・J・L・P・U、小文字5種類:b・c・d・n・y)を表示できます。
ウエオ:点灯パターンは全部で何通りか
正解:128通り
7本のLEDは、それぞれ「点灯」か「消灯」の2通りです。すべて消灯している状態も含めるので、
2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 2 = 27 = 128通り
です。LED1本を1ビットと考えれば、7ビットで表せるパターンの数と同じです。
カ:5,000種類のエラーコードに必要な部品の数
条件: 1桁目は大文字(8種類)、2桁目は小文字(5種類)、3桁目以降は数字(10種類)だけを使うエラーコードを、7セグメントLEDの部品を横に並べて表示します。5,000種類以上を表示するには、部品が少なくとも何個必要か。
正解:5個
1桁目と2桁目で 8 × 5 = 40通りです。3桁目以降の数字の桁が n 桁あると、全体は 40 × 10n 通りになります。
| 数字の桁 n | 表示できる種類 | 5,000以上か |
|---|---|---|
| 1 | 40 × 10 = 400 | × |
| 2 | 40 × 100 = 4,000 | × |
| 3 | 40 × 1,000 = 40,000 | ○ |
数字が3桁必要なので、部品は 2 + 3 = 5個です。「数字の桁数」を答えて3とするミスに注意しましょう。
問3 チェックディジット(キ・ク)
場面: 5桁の利用者ID(N5 N4 N3 N2 N1)の末尾に、入力ミスを見つけるためのチェックディジット C を1桁付けて、6桁の識別番号にします。生成方法は2種類です。
- 生成方法A: 5つの桁を全部足し、10で割った余り R を求めて、10 − R をチェックディジットにする
- 生成方法B: 奇数桁(N5・N3・N1)はそれぞれ3倍し、偶数桁(N4・N2)はそのまま足す。10で割った余り R を求めて、10 − R をチェックディジットにする
- どちらも、R が0のときはチェックディジットを0にする
キ:ID「22609」の生成方法Bでのチェックディジット
正解:7
N5=2、N4=2、N3=6、N2=0、N1=9 です。
- 奇数桁を3倍:(2 + 6 + 9) × 3 = 51
- 偶数桁はそのまま:2 + 0 = 2
- 合計 53、10で割った余り R = 3、チェックディジットは 10 − 3 = 7
なお問題文では、生成方法Aの例として「1」が示されていました(2+2+6+0+9 = 19、余り9、10−9 = 1)。どちらの方法でも同じ手順で確かめられます。
ク:Aでは検出できず、Bなら検出できることがある入力ミス
問われたこと: どちらの方法も1桁の入力ミスは検出できますが、2桁のミスは検出できないことがあります。生成方法Aでは絶対に検出できないのに、生成方法Bでは検出できることがあるミスはどれか。選択肢は次の4つでした。
- ⓪ 奇数桁の数字を二つ間違える
- ① 連続する二つの桁の数字をそれぞれ間違える
- ② 奇数桁のうちの二つの桁の数字の順序を逆にする
- ③ 連続する二つの桁の数字の順序を逆にする
正解:③ 連続する二つの桁の数字の順序を逆にする
生成方法Aは「全桁の合計」しか見ません。並べ替えても合計は変わらないので、順序の入れ替えは決して検出できません。これで候補は②と③に絞れます。
- ③ 連続する二つの桁の入れ替え: 隣り合う桁は、片方が奇数桁(3倍)、もう片方が偶数桁(1倍)です。入れ替えると重みが変わるので、生成方法Bでは合計が変わり、検出できることがあります。例えば「22609」を「22690」と打つと、Bの合計は 3×(2+6+0) + (2+9) = 35 になり、53 と余りが変わります。
- ② 奇数桁どうしの入れ替え: どちらも3倍なので、入れ替えてもBの合計は変わりません。生成方法Bでも検出できません。
- ⓪・①: 数字そのものを間違えると合計が変わるので、生成方法Aでも検出できる場合があります。「Aでは検出できることはない」に当てはまりません。
ISBNコードやバーコードのチェックディジットが桁ごとに重みを変えているのは、この「隣どうしの入れ替え」ミスを見つけるためです。
問4 フィッツの法則(ケ・コ・サ)
場面: マウスカーソルを対象物に移動する操作のモデルとして、次の2つが知られている法則(フィッツの法則)が紹介されました。
- 対象物が大きいほど、移動にかかる時間は短い
- 対象物までの距離が短いほど、移動にかかる時間は短い
さらに、マウスカーソルは画面の端で止まるので、画面の端にある対象物は実質的に大きさが無限大と考える、という前提が与えられました。
ケ:最も短い時間で指せる対象物
図の状況: 画面の中に4つの対象物があります。⓪は左寄りの小さい四角、①は中央付近の大きい四角、②は画面の右上の角にある四角、③は画面の右端の下寄りにある四角です。マウスカーソルは画面の右上寄りにあり、②に近い位置でした。
正解:② 画面右上の角の対象物
画面の端にある②と③は、行き過ぎても端で止まるので「大きさ無限大」として扱えます。中でも角にある②は、縦にも横にも行き過ぎることがなく、マウスを右上に勢いよく動かすだけで指せます。カーソルからの距離も②の方が近いので、②が最も短い時間で指せます。①は大きいものの画面の中にあるので、大きさは有限です。
コ・サ:右クリックメニューの「項目5」
図の状況: 右クリックすると、カーソルのすぐ右下に、同じ大きさの項目1〜項目5が上から縦に並ぶメニューが出ます。項目5は、カーソルから最も遠い一番下にあります。この法則だけに沿って設計されたとすると、項目5はどういう項目か。
正解:コ ⓪ 利用頻度が低い項目なので、サ ① マウスカーソルの位置から遠い場所に配置されている
項目の大きさがすべて同じなら、移動時間を決めるのは距離だけです。よく使う項目ほどカーソルの近く(上の方)に置けば、全体の操作時間が短くなります。逆に言えば、一番遠い項目5は利用頻度が低い項目です。「意図的に遠くに置く」と言われると不思議に感じますが、削除のように誤って選ぶと困る項目を遠くに置く設計もあります。
「目立つ場所」や「素早く選べる場所」は、遠い位置にある項目5の説明として合いません。
第1問のまとめ
- 知識問題(デジタル署名・IPv6)は、仕組みまで理解していれば迷わず解けます。
- 数え上げ(7セグメントLED)は「1つの要素が何通りか」を掛け合わせるのが基本です。
- チェックディジットは、問題文の手順どおりに計算すれば必ず解けます。入力ミスの問題は、具体的な数字で試すと確実です。
- フィッツの法則のように、教科書に詳しく載っていない法則も、問題文に条件がすべて書かれています。条件を読み落とさないことが大切です。