IPアドレスとDNSの仕組み|URLを入力してから表示されるまで
インターネットで通信するとき、相手を特定するために使われるのが IPアドレス です。そして、人が覚えやすい名前と IPアドレスを結びつけるのが DNS です。共通テストでは、IPアドレスのビット数や表せる数、DNSの役割、メールが届く流れなどが問われます。
IPアドレス
IPアドレス は、ネットワークに接続した機器を識別するための番号です。手紙の「住所」にあたります。
| 種類 | ビット数 | 表し方の例 | 表せる数 |
|---|---|---|---|
| IPv4 | 32ビット | 192.168.1.10 | 約43億(232) |
| IPv6 | 128ビット | 2001:db8::1 | 約340澗(2128) |
IPv4の表し方
IPv4 は、32ビットを 8ビットずつ4つに区切り、それぞれを 0〜255 の10進数で表します。
| 10進数 | 192 | 168 | 1 | 10 |
|---|---|---|---|---|
| 2進数 | 11000000 | 10101000 | 00000001 | 00001010 |
8ビットで表せるのは 0〜255 なので、「192.168.1.300」のようなIPv4アドレスはありません。
IPv6が使われる理由
スマートフォンやIoT機器など、インターネットに直接つながる機器が増えて、約43億個のIPv4アドレスが足りなくなりました。そこで、128ビットで事実上無限に近い数を表せる IPv6 が使われるようになりました。2025年の本試験 第1問 問1 b では、128ビットのIPアドレスが使われるようになった理由として「インターネットに直接接続する機器の増加」が正解でした。
ネットワーク部とホスト部
IPアドレスは、前半のネットワーク部(どのネットワークか)と、後半のホスト部(そのネットワークの中のどの機器か)に分かれます。どこまでがネットワーク部かを表すのがサブネットマスクです。
例: 192.168.1.10/24(「/24」は、先頭24ビットがネットワーク部という意味。サブネットマスク 255.255.255.0 と同じ)
- ネットワーク部:192.168.1(先頭24ビット)
- ホスト部:10(残り8ビット)
ホスト部が8ビットなら 28 = 256 通りですが、すべて0(ネットワーク自体を表す)とすべて1(ブロードキャスト用)は機器に割り当てられないので、接続できる機器は最大 254台 です。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス
| 種類 | 使われる場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| グローバルIPアドレス | インターネット | 世界中で重複しないように管理されている |
| プライベートIPアドレス | 家庭や学校などのLANの中 | LANの中だけで使う。ほかのLANと重複してもよい(192.168.x.x など) |
家庭のLANの機器は、プライベートIPアドレスを使っています。インターネットに出るときは、ルータがグローバルIPアドレスに変換します(NAT)。これにより、1つのグローバルIPアドレスを家庭内の複数の機器で共有でき、IPv4アドレスの不足を補っています。
DHCP
スマートフォンをWi-Fiにつなぐと、自動的にIPアドレスが割り当てられます。この仕組みが DHCP です。DHCPサーバ(家庭ではルータが兼ねることが多い)が、接続してきた機器に、空いているIPアドレスを貸し出します。
ドメイン名と DNS
www.example.co.jp のような名前を**ドメイン名**といいます。数字の IPアドレスより覚えやすいですが、通信には IPアドレスが必要です。
そこで、ドメイン名から IPアドレスを調べる仕組みが DNS です。電話帳で名前から電話番号を調べるのに似ています。
ドメイン名の構造
ドメイン名は、右から大きな区分の順に並んでいます。
| 部分 | 意味 |
|---|---|
| jp | 国(日本)。トップレベルドメイン |
| co | 組織の種類(co:企業、ac:大学、ed:学校、go:政府機関、or:団体) |
| example | 組織の名前 |
| www | その組織のサーバの名前 |
DNSサーバは世界中に分散していて、右側の区分から順に問い合わせることで、目的のIPアドレスにたどり着きます。
Webページが表示されるまでの流れ
ブラウザに https://www.example.co.jp/ と入力すると、次の順で処理が進みます。
- ブラウザが DNS サーバに「www.example.co.jp の IPアドレスは?」と問い合わせる
- DNS サーバが IPアドレスを答える
- ブラウザがその IPアドレスの Web サーバに、ページを要求する(HTTP/HTTPS)
- Web サーバがページのデータを返し、ブラウザが表示する
途中のデータはパケットに分けられ、ルータが宛先のIPアドレスを見て転送していきます(「ネットワークの仕組みとプロトコル」)。
メールが届くまでの流れ
メールアドレス shinobu@example.ed.jp は「ユーザ名@ドメイン名」の形です。
- 送信者のメールソフトが、送信側のメールサーバにメールを送る(SMTP)
- 送信側のサーバが、宛先のドメイン名(example.ed.jp)のメールサーバを DNS で調べる
- 受信側のメールサーバにメールを転送する(SMTP)
- 受信側のサーバがユーザ名(shinobu)を確かめ、その人のメールボックスに保存する
- 受信者が、メールソフトでメールを受け取る(POP・IMAP)
どこで誤りが見つかるか
- ドメイン名が存在しない → 手順2で、送信側のサーバが検出する
- ドメイン名は正しいが、ユーザ名が存在しない → 手順4で、受信側のサーバが検出する
2026年の本試験 第1問 問4 では、宛先を3通りに書き間違えたとき、どちらのサーバが最初に、どんな理由で検出するかが問われました(「2026年 第1問 解説」)。
まぎらわしい仕組みとの区別
| 仕組み | 役割 |
|---|---|
| DNS | ドメイン名と IPアドレスを対応付ける |
| DHCP | 接続した機器に IPアドレスを自動で割り当てる |
| NAT | プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する |
| ルータ | 宛先の IPアドレスを見て、パケットを転送する |
「名前から住所を調べる」のが DNS、「住所を配る」のが DHCP、と覚えると区別しやすくなります。
よくある間違い
- 「IPv4は32バイト」:32ビットです(4バイト)。
- 「/24 なら256台つなげる」:すべて0とすべて1は使えないので254台です。
- 「メールのユーザ名の誤りは送信側で分かる」:ユーザ名を確かめるのは受信側のサーバです。
まとめ
- IPv4は32ビット(約43億)、IPv6は128ビット。8ビットずつ区切って0〜255で表す
- IPアドレスはネットワーク部とホスト部に分かれる。ホスト部 n ビットなら 2n − 2 台
- LANの中はプライベートIPアドレス、インターネットではグローバルIPアドレス
- DNSはドメイン名からIPアドレスを調べ、DHCPはIPアドレスを自動で割り当てる