ネットワークの仕組みとプロトコル|パケット交換・TCP/IPの4階層・通信速度の計算

公開 2026年11月8日

スマートフォンでWebページを見るとき、データは世界中のネットワークを経由して届きます。この記事では、インターネットでデータが届く仕組みと、そのための約束ごと(プロトコル)を整理します。共通テストでは、仕組みを問う知識問題のほか、通信にかかる時間の計算も出ます。

LANとWAN、インターネット

用語 意味 例
LAN(構内ネットワーク) 家庭・学校・会社など、限られた範囲のネットワーク 家庭のWi-Fi、校内ネットワーク
WAN(広域ネットワーク) 離れた場所のLANどうしを結ぶ、広い範囲のネットワーク 通信事業者の回線
インターネット 世界中のネットワークを相互に接続した、ネットワークのネットワーク —

家庭のLANは、ISP(インターネットサービスプロバイダ)を通じてインターネットに接続しています。

回線交換とパケット交換

方式 仕組み 特徴
回線交換 通信の間、相手との回線を占有する 固定電話。通信中は安定しているが、回線を効率よく使えない
パケット交換 データを小さな**パケット**に分けて送る インターネット。1本の回線を多くの人で共有でき、効率がよい

パケットには、データの一部のほかに、宛先や送信元のIPアドレス、何番目のパケットかなどの情報(ヘッダ)が付いています。パケットは別々の経路を通ることもあり、受信側でヘッダの番号をもとに元の順番に組み立て直します。一部のパケットが届かなければ、その部分だけを送り直せばよいのも利点です。

プロトコルとTCP/IP

**プロトコル**は、通信のための約束ごとです。インターネットでは、役割ごとに4つの階層に分けたプロトコル群 TCP/IP が使われています。

階層 役割 主なプロトコル
アプリケーション層 アプリケーションごとのやり取りの決まり HTTP・HTTPS(Web)、SMTP・POP・IMAP(メール)、DNS
トランスポート層 データを確実に、または速く届ける TCP、UDP
インターネット層 IPアドレスをもとに、宛先まで届ける IP
ネットワークインタフェース層 隣の機器まで、電気信号や電波で届ける イーサネット、Wi-Fi

階層に分けておくと、ある層の方式を変えても(例えば有線LANを無線LANに替えても)、ほかの層はそのまま使えます。

TCPとUDP

TCP UDP
特徴 届いたかを確認し、届かなければ送り直す。順番も整える 確認をせず、そのまま送る
長所 確実に届く 速い、遅れが少ない
向いているもの Webページ、メール、ファイル 動画のライブ配信、通話、オンラインゲーム

通話やライブ配信では、少しデータが欠けるより、遅れる方が困るのでUDPが使われます。

ネットワークの機器

機器 働き
ルータ 宛先のIPアドレスを見て、パケットを次にどのネットワークへ送るかを決めて転送する(ルーティング)
スイッチ(スイッチングハブ) LANの中で、つながっている機器どうしの通信を中継する
無線LANアクセスポイント Wi-Fiの電波で、スマートフォンなどをLANにつなぐ

Webとメールの仕組み

Web

ブラウザ(クライアント)がWebサーバにページを要求し、サーバがデータを返します。このやり取りの決まりが HTTP、通信を暗号化したものが HTTPS です。

URL https://www.example.co.jp/news/index.html は、次のように分けられます。

部分 意味
https 使うプロトコル
www.example.co.jp Webサーバのドメイン名
/news/index.html サーバの中のファイルの場所(パス)

メール

プロトコル 役割
SMTP メールを送信する。メールサーバどうしの転送にも使う
POP メールをサーバから自分の端末にダウンロードして読む
IMAP メールをサーバに置いたまま読む。複数の端末で同じメールを見られる

送信側のメールサーバは、宛先のドメイン名からDNSで受信側のサーバを探してメールを転送し、受信側のサーバが宛先のユーザ名を確かめます。2026年の本試験 第1問 問4 では、宛先の書き間違いを、どちらのサーバが最初に検出するかが問われました(「IPアドレスとDNS」)。

クライアントサーバ方式とピアツーピア方式

方式 仕組み
クライアントサーバ方式 サービスを提供するサーバに、利用者のクライアントが要求を送る(Web、メール)
ピアツーピア(P2P)方式 サーバを介さず、端末どうしが対等に直接データをやり取りする

通信速度と転送時間

通信速度は、1秒間に送れるビット数 bps(bits per second)で表します。1Mbps は1秒間に100万ビット(106ビット)です。

転送時間 = データ量(ビット) ÷ 通信速度(bps)

例: 200MBのファイルを、100Mbpsの回線で送る。伝送効率(実際に使える割合)は80%とする。

  1. データ量をビットにする:200MB × 8 = 1,600Mビット
  2. 実際の速度:100Mbps × 0.8 = 80Mbps
  3. 転送時間:1,600 ÷ 80 = 20秒

バイト(B)とビット(b)の変換(×8)を忘れないことが最大のポイントです。

誤りの検出:パリティビット

通信中に雑音などでビットが変わってしまうことがあります。これを見つける方法の一つがパリティビットです。

例(偶数パリティ): データの中の1の個数が偶数になるように、末尾に1ビットを付け加える。

受信側で1の個数が奇数になっていれば、どこかのビットが変わったと分かります。ただし、2ビット同時に変わると1の個数は偶数のままなので、検出できません。番号の入力ミスを見つけるチェックディジットと同じ考え方です。

共通テストでの出題

よくある間違い

まとめ

確認問題

問題を準備しています…

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