問題解決の考え方|問題の発見からPDCAサイクルまでの手順と発想法

公開 2026年11月8日

情報Ⅰは「情報技術を使って問題を解決する力」を育てる科目です。この記事で扱う問題解決の手順は、プログラミングやデータ分析など、ほかの分野でも繰り返し使う考え方です。共通テストでは、文化祭や部活動などの身近な場面で、どの手順の何をしているかを読み取る形で問われます。

問題とは何か

情報Ⅰでいう問題とは、理想(あるべき姿)と現状とのギャップのことです。

例: 文化祭の模擬店で、「お客さんを待たせずに販売したい(理想)」のに、「昼に30分以上の行列ができた(現状)」。このギャップが問題です。

「行列ができた」という現象だけを見るのではなく、何が理想で、何が足りないのかをはっきりさせることが、問題解決の第一歩です。

問題解決の手順

問題解決は、おおむね次の手順で進めます。

手順 すること 模擬店の例
① 問題の発見 理想と現状のギャップに気づく 昼に長い行列ができた
② 問題の明確化 原因を調べ、解決すべきことを具体的にする 会計に時間がかかっていた。注文から受け取りまで1人平均3分
③ 解決案の検討 情報を集めて分析し、複数の案を出して比べる 食券制にする、メニューを減らす、レジを2台にする
④ 解決案の実行 選んだ案を計画を立てて実行する 翌日から食券制にする
⑤ 評価 結果を確かめ、次の改善につなげる 待ち時間が平均10分に減った。食券の売り場に新たな列ができた

情報の収集と分析

②や③では、根拠となる情報を集めます。集め方には次のようなものがあります。

集めたデータは、表やグラフにして分析します(第4章「データの活用」)。手順に沿って待ち時間を計算するなら、シミュレーションも有効です。

アイデアを出す・整理する方法

ブレーンストーミング

複数人で自由にアイデアを出し合う方法です。次の4つのルールを守ります。

ルール 内容
批判厳禁 出たアイデアを否定・批判しない
自由奔放 突飛なアイデアも歓迎する
質より量 できるだけ多くのアイデアを出す
結合・便乗 他人のアイデアを組み合わせたり、発展させたりする

その場で良し悪しを判断しないのがポイントです。評価や絞り込みは、アイデアを出し終えてから行います。

KJ法(親和図法)

ブレーンストーミングなどで出たアイデアを、1枚ずつカードに書き、似たものどうしをグループにまとめて見出しを付ける方法です。グループどうしの関係を図にすることで、問題の全体像や原因が見えてきます。考案者・川喜田二郎の頭文字から名付けられました。

そのほかの整理方法

トレードオフ

ある条件を良くすると、別の条件が悪くなる関係をトレードオフといいます。

例: ゲームの体験時間を長くすると、1人あたりの満足度は上がるが、ほかの来訪者の待ち時間は長くなる。

解決案を選ぶときは、すべての条件を最高にすることはできないので、何を優先するかを決め、条件のバランスがとれた案を選びます。2026年の本試験 第3問 では、「ゲームはできるだけ長く楽しんでほしいが、10分以上は待たせたくない」という条件のもとで、体験時間を決める問題が出ました。

PDCAサイクル

一度の解決で終わらせず、改善を繰り返すための考え方が**PDCAサイクル**です。

段階 内容 模擬店の例
Plan(計画) 目標を決め、計画を立てる 待ち時間を10分以内にするため、食券制を導入する
Do(実行) 計画どおりに実行する 食券制で販売する
Check(評価) 結果を測定し、目標と比べる 待ち時間は平均10分。ただし食券売り場が混雑した
Action(改善) 評価をもとに改善策を考え、次の計画に生かす 食券の販売窓口を2か所に増やす

Action のあとは次の Plan に戻り、サイクルを回し続けます。「C(評価)」を飛ばすと、改善が効果を上げたのか分からなくなります。

共通テストでの出題

よくある間違い

まとめ

確認問題

問題を準備しています…

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