2025年 共通テスト情報Ⅰ 第4問 解説|旅行統計のデータ分析(尺度水準・帯グラフ・散布図・箱ひげ図)

公開 2026年11月7日

2025年(令和7年度)本試験「情報Ⅰ」第4問(25点)の解説です。問題冊子は大学入試センターの公式ページで公開されています。問題文を見なくても内容が分かるように、場面や条件を詳しく説明しています。

正解と配点

設問解答記号正解配点
問1ア・イ③・⓪両方正解で3点3
問1ウ・エ⓪・②順序は問わない各2
問2オ・カ①・③順序は問わない各2
問3キ⓪2
問3ク③3
問4ケ22
問4コ③3
問4サ②2
問4シ④2

丸数字(②など)は選択肢の番号です。

第4問は、表やグラフからデータを読み取るデータの活用の問題です。題材は、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」(2019年)を使った旅行者数の分析でした。問題が進むごとに、使う道具が高度になっていきます。

設問 使う道具 読み取ること
問1 尺度水準、棒グラフ、帯グラフ 地方ごとの旅行者数と、目的の割合
問2 散布図、相関係数 目的別の旅行者数どうしの関係
問3 散布図、人口で割った指標 指標を変えると何が変わり、何が変わらないか
問4 箱ひげ図、四分位数 「多め」の基準で都道府県を分類する

旅行の目的は出張等・帰省等・観光等の3つに分けられています。旅行者数は延べ人数で、単位は千人です。

問1 尺度水準とグラフの読み取り(ア〜エ)

使われた表: 地方(北海道、東北、関東、…、沖縄の10地方)ごとに、目的別の旅行者数と合計をまとめた表です。一部の値は次のとおりでした。

番号 地方 出張等 帰省等 観光等 合計
1 北海道 3,652 5,052 9,768 18,472
2 東北 6,161 9,410 12,365 27,936
3 関東 14,401 19,138 45,943 79,482
10 沖縄 662 1,127 5,446 7,235

ア・イ:尺度水準

会話の流れ: 先生に「地方はどの尺度水準か」と聞かれたUさんは、「郵便番号などと同じで(ア)」と答えます。番号と地方以外の項目(旅行者数)については「(イ)」と答えます。

正解:ア ③ 名義尺度/イ ⓪ 比例尺度

尺度水準 意味 例
名義尺度 区別するためだけの値。大小や順序に意味がない 地方名、郵便番号、性別
順序尺度 順序に意味があるが、差には意味がない 順位、5段階評価
間隔尺度 差に意味があるが、0が「何もない」ではない 気温(℃)、西暦
比例尺度 0が「何もない」を表し、比(何倍か)にも意味がある 人数、金額、長さ

旅行者数は0人が「旅行者がいない」ことを表し、「関東は北海道の約4倍」のように比べられるので比例尺度です。

ウ・エ:棒グラフと帯グラフから読み取れること

図の状況: 表のデータから2つのグラフが作られました。(a) は地方ごとに出張等・帰省等・観光等の人数を並べた棒グラフ、(b) は各地方の合計を100%として目的の内訳を示した帯グラフです。棒グラフでは関東の観光等が約46,000で飛び抜けて高く、帯グラフでは沖縄の観光等の割合が約75%で最も大きく見えます。

正解:⓪ 帰省等の旅行者数が最も多い地方は関東/② 合計に対する出張等の割合は、関東より東北の方が高い(順序は問わない)

人数(量)を比べるなら棒グラフ、割合(内訳)を比べるなら帯グラフという使い分けがポイントです。

問2 散布図と相関係数(オ・カ)

図の状況: 47都道府県ごとの目的別旅行者数から、3つの散布図が作られました。

散布図(縦軸 × 横軸) 相関係数
出張等 × 帰省等 0.84
出張等 × 観光等 0.67
帰省等 × 観光等 0.79

どの図も、多くの点が左下に集まり、少数の都道府県が右上に離れています。どの図でも一番上の点は、出張等が約8,300千人で最も多い都道府県でした(出張等 × 帰省等の図では、帰省等も約6,100千人で最大の位置にあります)。

正解:① すべての都道府県で、出張等は帰省等の1.5倍を下回る/③ ある目的の旅行者数が多い都道府県ほど、他の目的の旅行者数も多くなる傾向にある(順序は問わない)

問3 指標を人口で割る(キ・ク)

場面: 出張等と観光等の散布図(図3)では、多くの都道府県が観光等3,000千人以下に集まっていて見にくくなっていました。そこでUさんは「人口が多い都道府県ほど旅行先になりやすいのでは」と考え、旅行者数を旅行先の都道府県の人口で割った指標「出張/人口」「観光/人口」を作り、散布図(図4)にしました。どちらの図にも、縦軸と横軸の値が等しい直線(y = x)が引かれています。

キ:白抜きの2点は同じ都道府県か

正解:⓪ 両方の図で同じ二つの都道府県を示している

直線 y = x の上側にある点は、「出張等 > 観光等」の都道府県です。図4では両方を同じ人口で割っているので、

出張等 > 観光等 ⇔ 出張等 ÷ 人口 > 観光等 ÷ 人口

となり、直線より上か下かは変わりません。どちらの図でも、上側にある2点は同じ2つの都道府県です。計算しなくても、式の性質から答えが決まります。

ク:XとYの大小が逆転した理由

正解:③ 点Yの都道府県の方が人口が少ない

図3ではXの方が旅行者数(出張等・観光等)が多いのに、人口で割った図4ではYの方が両方とも大きくなっています。同じように割って大小が逆転するのは、Yの方が割る数(人口)がずっと小さいからです。

問4 箱ひげ図で都道府県を分類する(ケ〜シ)

図の状況: 図4の散布図の各軸に沿って、「出張/人口」と「観光/人口」の分布を表す箱ひげ図を付けた図5が示されました(外れ値は ○ で表す)。図から読み取れるおおよその値は次のとおりです。

指標 第1四分位数 中央値 第3四分位数 外れ値
出張/人口 約0.27 約0.46 約0.6 なし
観光/人口 約0.85 約1.4 約2.2 約4.4 と 約5.0

散布図の中では、6つの都道府県に A〜F の記号が付いていました(座標はおおよその値です)。

記号 観光/人口 出張/人口
A 約0.8 約1.05
B 約1.25 約0.95
C 約2.8 約0.92
D 約4.4 約0.41
E 約5.0 約0.14
F 約0.2 約0.08

ケ:観光等の旅行者が人口の4倍以上の都道府県の数

正解:2個

「観光/人口」が4.0以上の点は、D(約4.4)とE(約5.0)の2つです。箱ひげ図の外れ値2つと同じ点です。

コ:最も多いグループ

定義: 「出張/人口」が第3四分位数より大きい都道府県を出張等が多め、「観光/人口」が第3四分位数より大きい都道府県を観光等が多めと呼びます。

正解:③ 出張等も観光等も多めではない都道府県

第3四分位数より大きいのは、それぞれの指標で全体の約4分の1、47都道府県のうち約11個です。

散布図を数えなくても、四分位数の定義から決まります。

サ:出張等も観光等も多めの都道府県

正解:② C

両方の第3四分位数(出張/人口 約0.6、観光/人口 約2.2)を超えているのは、C(観光/人口 約2.8、出張/人口 約0.92)だけです。A と B は出張等だけが多めです(観光/人口が2.2より小さい)。D と E は観光等だけが多めです(出張/人口が0.6より小さい)。

シ:「出張等は多めではないが観光等は多め」の中で、出張/人口 ÷ 観光/人口 が最も小さい都道府県

正解:④ E

候補は D と E です。

E の方が小さくなります。散布図で考えると、原点と点を結ぶ直線の傾きが小さいほど、この値は小さくなります。E は右下にあるので、傾きが最も緩やかです。

第4問のまとめ

代表値と箱ひげ図の基本は「代表値と散らばり」で解説しています。

参考資料

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