2026年 共通テスト情報Ⅰ 第4問 解説|桜の開花日データ分析(欠損値・開花差・散布図・箱ひげ図・回帰直線)

公開 2026年11月8日

2026年(令和8年度)本試験「情報Ⅰ」第4問(25点)の解説です。問題冊子は大学入試センターの公式ページで公開されています。問題文を見なくても内容が分かるように、場面や条件を詳しく説明しています。

正解と配点

設問解答記号正解配点
問1 aア①2
問1 bイ③1
問1 bウ②2
問2エ・オ②・⑤両方正解で2点2
問2カ③2
問3 aキ・ク①・④順序は問わない。各2点4
問3 bケ②2
問3 bコ⓪2
問3 bサ③3
問4シ②3
問4ス①2

丸数字(②など)は選択肢の番号です。

第4問はデータの活用の問題です。題材は、気象庁が公開している桜の開花日のデータ。「ある日からの気温の合計が一定の値を超えると開花する」という経験則が、実際の開花日にどれくらい合うかを、表・散布図・箱ひげ図・回帰直線を使って調べていきます。

計算はほとんどなく、グラフから何が言えて、何が言えないかを判断する問題が中心でした。図の読み取りに時間がかかるので、選択肢を一つずつ図と照らし合わせる丁寧さが必要です。

問1 データの準備(ア〜ウ)

場面: Tさんは、観測点ごとの2014〜2023年の桜の開花日を表1にまとめました。表1には、稚内・旭川・網走のような北海道の観測点(開花は4月下旬〜5月上旬)から、那覇・南大東島(開花は1月〜2月上旬)までが並んでいます。例えば稚内の2023年の開花日は5月3日です。このデータはオープンデータです。

a オープンデータの説明(ア)

問われたこと: 次の2つの文の正誤の組合せ。

正解:① Aは正しい、Bは誤り

オープンデータは、国や自治体などが誰でも自由に入手し、加工・再配布できるように公開したデータです。機械で読みやすい形式で、二次利用が認められたルール(クレジットの表示など)で公開されるのが特徴で、加工のたびに利用申請をする必要はありません。

b 欠損値とグラフの選び方(イ・ウ)

場面: 表1の南大東島の2021年の欄には「0」が入っていました。調べると、南大東島はその年の開花日の記録がない観測点でした。

正解:イ ③ 欠損値 ウ ② 横軸を年、縦軸を各年の3月末までに開花した観測点の数

問2 400度の法則と600度の法則(エ〜カ)

2つの仮説:

Tさんは、合計が初めて400・600を超えた日を400度開花推定日・600度開花推定日とし、実際の開花日との差(開花差)を求めました。推定日が実際より早ければ負、遅ければ正、一致すれば0です。

表2・表3の内容:

観測点 400度開花推定日 600度開花推定日 実際の開花日 400度開花差 600度開花差
稚内 5月31日 5月21日 5月8日 23 13
旭川 5月26日 5月7日 4月29日 27 8
新潟 (隠されている) (同) (同) 4 −1
名古屋 3月19日 3月16日 3月17日 2(エ) −1(オ)
甲府 3月20日 3月14日 3月18日 2 −4
奈良 (隠されている) (同) (同) −1 −5

正解:エ ② 2 オ ⑤ −1 カ ③ 新潟は600度開花推定日の方が近く、奈良は400度開花推定日の方が近い

問3 緯度と開花差(キ〜サ)

a 散布図と相関係数から読み取れること(キ・ク)

図1の様子: 横軸に緯度(約31〜46度)、縦軸に開花差をとった散布図で、400度開花差を○、600度開花差を×で表しています。各観測点の緯度はすべて異なります。

選択肢:

正解:① と ④(順序は問わない)

b 氷点下観測点と箱ひげ図(ケ〜サ)

場面: 緯度が高い観測点には、2月1日以降に平均気温が氷点下(0℃以下)になる日があります。そこで、そうした日がある観測点(氷点下観測点)をG1、それ以外をG2として、400度開花差の箱ひげ図(図2)を作りました。どちらにも外れ値はありません。

図2の様子(目盛りからのおおよその読み取り):

グループ 最小値 第1四分位数 中央値 第3四分位数 最大値
G1(氷点下観測点) 約3 約7 約16 約23 約30
G2(それ以外) 約−12 約−5 約−1 約3 約6

ケ: 開花差の絶対値が(ケ)以上の観測点は、G1では半数以上あるが、G2では1か所もない。

正解:ケ ② 15

G1の中央値は約16なので、15以上が半数以上あります。G2は最小値が約−12、最大値が約6なので、絶対値はすべて15未満です。

コ・サ: 400度開花推定日と実際の開花日が一致している観測点(一致観測点)について、(コ)一致観測点の数がわかり、(サ)G2に存在することがわかった。選択肢は「図1だけで/図2だけで/図1もしくは図2のいずれからも/図1と図2の両方を組み合わせることで」です。

正解:コ ⓪ 図1だけで サ ③ 図1と図2の両方を組み合わせることで

問4 回帰直線を使った補正(シ・ス)

場面: Tさんは、ある3年間のデータで氷点下観測点を集め、2月1日以降に平均気温が氷点下だった日数(氷点下日数)と400度開花差の散布図と回帰直線(図3)を作りました。

回帰直線:(開花差の予測値)= 0.55 ×(氷点下日数)+ 5.48

図3の様子: 横軸の氷点下日数は1〜45日、縦軸の開花差は約2〜30日で、右上がりに分布しています。氷点下日数1日の観測点が縦に多く並び、開花差は2〜9日に広がっています。氷点下日数43日・開花差20日の点だけ、回帰直線から大きく下に外れていて、点Aと示されていました。

補正方法: 開花差の予測値を四捨五入した値(補正日数)だけ、400度開花推定日からさかのぼった日を400度補正日とします。400度補正日の方が実際の開花日に近くなることを「うまく補正できる」とします。

シ:図3から分かること

正解:② 氷点下日数が1日である氷点下観測点の一部を除いたすべての氷点下観測点でうまく補正できる

実際の開花差を d、補正日数を k とすると、補正後の開花差は d − k です。うまく補正できるのは |d − k| < |d| のときで、d も k も正なので、d が k の半分より大きいときです。つまり、点が回帰直線の上側にあっても、下側にあっても、予測値の半分より上にあればうまく補正できます。

観測点の例 補正日数 k 実際の開花差 d 補正後 d − k うまく補正できるか
氷点下日数1日・開花差2 0.55 + 5.48 = 6.03 → 6 2 −4 ×(|−4| > 2)
氷点下日数1日・開花差3 6 3 −3 ×(近くならない)
氷点下日数1日・開花差4 6 4 −2 ○
点A(43日・開花差20) 23.65 + 5.48 = 29.13 → 29 20 −9 ○(|−9| < 20)

予測値の半分より下にある点は、氷点下日数1日で開花差2・3の点だけです。点Aは回帰直線から大きく外れていますが、うまく補正できます。

ス:観測点Xの400度補正日

条件: 別の年の観測点Xは、400度開花推定日が4月23日、氷点下日数が18日。実際の開花日は4月12日でした。

正解:① 4月8日

実際の開花日(4月12日)との差は、補正前が11日、補正後が4日なので、うまく補正できています。

第4問のまとめ

詳しくは「代表値と散らばり」と用語「相関係数」「中央値」で解説しています。

参考資料

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