データの収集と整理|尺度水準・欠損値の扱い・グラフの使い分け

公開 2026年11月8日

データを分析する前には、どんなデータを、どう集め、どう整えるかを考える必要があります。この準備を間違えると、どんなに丁寧に分析しても正しい結論は得られません。共通テストの第4問では、毎年この分野から、尺度水準やデータの扱い方、グラフの選び方が問われています。

データの種類

種類 意味 例
質的データ(カテゴリデータ) 分類や種類を表すデータ 性別、血液型、都道府県名、満足度(5段階)
量的データ(数値データ) 大きさや量を数値で表すデータ 身長、気温、得点、旅行者数

尺度水準

データは、数値がもつ意味によって4つの**尺度水準**に分けられます。

尺度 意味 例 できること
名義尺度 区別するためだけの値 出席番号、郵便番号、性別 個数を数える、最頻値
順序尺度 順番に意味がある値 成績の5段階評価、順位、満足度 大小の比較、中央値
間隔尺度 差(間隔)に意味があるが、0が「何もない」ことを表さない 摂氏の気温、西暦 足し算・引き算、平均値
比例尺度 0が「何もない」ことを表し、比にも意味がある 身長、金額、人数、時間 掛け算・割り算、比の比較

名義尺度と順序尺度が質的データ、間隔尺度と比例尺度が量的データです。

見分けるポイント

2025年の本試験 第4問 問1 では、観光の統計データに含まれる項目の尺度水準が問われました。

データの集め方

方法 内容
アンケート調査 質問に答えてもらう。意見や満足度など、数値で測りにくいことを調べられる
観察・実験 実際に測ったり、条件を変えて試したりする
センサ・ログ 機器が自動で記録したデータ(気温、位置情報、Webの閲覧記録など)
公開データの利用 国や自治体が公開する統計や**オープンデータ**を使う

全数調査と標本調査

全数調査 標本調査
調べる対象 対象(母集団)のすべて 母集団から選んだ一部(標本)
例 国勢調査、学校の健康診断 世論調査、テレビの視聴率調査
特徴 正確だが、時間と費用がかかる 効率よく調べられるが、誤差がある

標本調査では、標本を**無作為に(偏りなく)**選ぶことが大切です。例えば、平日の昼間に駅前でアンケートをとると、その時間に駅前にいる人に偏った結果になります。

データの整理(クレンジング)

集めたデータには、そのままでは分析に使えない部分が含まれていることがあります。分析の前に整えることをデータクレンジングといいます。

問題 例 対処
欠損値 記録がない欄。空欄や「0」「−」で表されていることもある 除外する、欠損であることを明示する、平均値などで補う
外れ値 ほかから極端に離れた値 入力ミスなら修正し、本当の値なら残して原因を考える
表記ゆれ 「東京都」「東京」「Tokyo」が混在 表記を統一する
単位の違い 「1.5m」と「150cm」が混在 単位をそろえる
重複 同じ人の回答が2回入っている 重複を削除する

欠損値に注意: 2026年の本試験 第4問 では、桜の開花日の表で、記録がない年の欄に「0」が入っていました。これを0日として計算すると、結果が大きく狂います。Tさんは、欠損値を含む行を除外して分析しました(「2026年 第4問 解説」)。

データを集計する

度数分布表とヒストグラム

量的データを、決まった幅の区間(階級)ごとに数えた表を度数分布表、それを棒グラフにしたものをヒストグラムといいます。データがどのあたりに多く集まっているか(分布の形)が分かります。

クロス集計

2つの項目を組み合わせて集計した表をクロス集計表といいます。

満足 ふつう 不満 合計
1年生 30 15 5 50
2年生 20 20 10 50

学年ごとに満足度の傾向が違うかどうかが分かります。人数が違うグループを比べるときは、人数ではなく割合で比べましょう。

目的に合ったグラフを選ぶ

グラフ 向いている目的 例
棒グラフ 項目ごとの量を比べる 都道府県別の旅行者数
折れ線グラフ 時間による変化を見る 年ごとの平均気温の推移
円グラフ 全体に対する**割合(内訳)**を見る 旅行の目的の内訳
帯グラフ 割合(内訳)を複数のグループで比べる 地方ごとの旅行の目的の内訳
ヒストグラム 1つの量的データの分布の形を見る テストの得点の分布
散布図 2つの量の関係を見る 気温とアイスの売上
箱ひげ図 分布の散らばりを複数のグループで比べる クラスごとの得点の分布

2026年の本試験 第4問 問1 では、「4月1日より早く開花した観測点の数が年ごとにどう変化しているか」を見るために、横軸を年、縦軸を各年の3月末までに開花した観測点の数とした折れ線グラフを選ぶ問題が出ました。2025年の本試験 第4問 では、地方ごとの旅行の目的の割合を比べる帯グラフが使われました。

共通テストでの出題

よくある間違い

まとめ

確認問題

問題を準備しています…

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